酸性の汚れとアルカリ洗剤について

2024.10.15

開業1年と1ヶ月が経過した橋本ハウスクリーニングです。開業当初は覚えなきゃならない事柄も多く、やる事も多くて必死でした。というか今もまだ必死に頑張っている最中ではあるんですけどね・・・

みなさんは「油などの酸性の汚れはアルカリ性の洗剤で中和して落とす」という話を聞いたことがあるでしょうか?

私の記憶が確かなら・・・

開業当初のハウスクリーニングスクールで、この道数十年の講師の先生から教わった内容で、この業界の様々な方々からも同じような内容のお話を聞いたことがあります。
その度にいつも腑に落ちない点がいくつかあったのですが、ベテランの掃除屋さん達の仰る事なので、何かしらの意図があってのことなのだろうし、実際に汚れが落ちてさえいれば、そのメカニズムや化学式まで知る必要は無いですから、放置して聞き流して来た言葉なのですが、先日、ふと疑問に思って調べてみました。

そもそもですね、そもそも。「油は酸性」では無いです。

リトマス試験紙で液性を測ると油の種類によって微弱な酸や微弱なアルカリに振れることがあるようなのですが、基本的に「油は中性」です。

pH(ペーハー)というのは(日本ではピーエッチと読むことが推奨されているそうです)水溶液中の「水素イオン濃度」の指数です。水に溶けない油にはイオンは存在しないので「pHは中性」となります。

あと、「中和して落とす」とか「中和分解」などという言い方をする方もいらっしゃいましたが、アルカリ洗剤で油汚れが落ちるメカニズムは「中和」では無いです。

中和というのは液性を中性にすることです。弱酸性の汚れを中和するなら弱アルカリ性の薬品を使用しないと中和とは言えません。

と、一般のお客様には少し難しいお話になってしまったことと、同業者の方々には少し細かい指摘のような話になってしまったので、詳細はここまでにしておきます。

追記

結局のところ、お客様から見れば、理屈はどうあれ汚れが綺麗に落ちていれば問題が無い訳で、細かい汚れのメカニズムや化学式を知ったところで、我々のような作業者からしても実際に汚れが落ちるか落ちないか、簡単に落とせるか簡単には落とせないか、という「そこらへん」が大事なので、まあ、1つの考え方の「指標」のようなものと認識しておけば良いのではないかと思います。

と、いうわけで今回は、酸性の汚れとアルカリ洗剤についてのお話でした。

油汚れでギットギトのレンジフードがございましたら、橋本ハウスクリーニングまでご連絡ください。

アルカリ性の洗剤で落とします!

※油で塗装が劣化していると、油を除去する際に塗装が一緒に剥がれる場合がございます。

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